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催し物のご案内

住まいの「内と外」

講演会日程 
  • ・Ⅰ/和風の住まい術に学ぶ「内と外」2010年6月19日(土)/講師:山口昌伴 ※終了しました。
  • ・Ⅱ/世界の住居集落の「内と外」2010年8月28日(土)/講師:畑聰一 ※終了しました。
  • ・Ⅲ/パッシブデザインは「住まいの内と外」をどう変えてきたか 2010年10月23日(土)/講師:小玉祐一郎 ※終了いたしました。
  • ・Ⅳ/住まいの居心地と住宅開口部 2011年1月29日(土)/講師:永田昌民 ※終了しました。
◆ Ⅳ/ 住まいの居心地と住宅開口部

Exif_JPEG_PICTURE■ 講師:永田昌民(ながた まさひと)
1941年、大阪生まれ。建築家。N設計室主宰。
著書に『住宅設計作法』、『大きな暮らしができる小さな家』など。
■ 講演会 :2011年1月29日(土) 15時~18時 講演会/懇親会
■ 関連展示:2011年1月27日(木)~2月8日(火)  11:00~17:00 
※日曜休館
■ 会場・主催:可喜庵

住まいの内と外をつなぎ、室内での視線を外に開放する開口部は、また雨・風・光などの自然をコントロールするための複雑な機能的役割を果たし、住まいの居心地とデザインを同時に決める設計上の重要な要素です。そのため建築家は開口部のプランニングに心血を注いできました。永田昌民さんはシンプルで居心地のいい家をつくることで多くのファンのいる建築家です。永田さんは家づくりのプロセスのなかで、どのように開口部を決め、デザインしているのでしょうか?ご自身の作例を語っていただきます。

◆ Ⅲ/ パッシブデザインは「住まいの内と外」をどう変えてきたか

OLYMPUS DIGITAL CAMERA■ 講師:小玉祐一郎(こだま ゆういちろう)
1946年、秋田県生まれ。神戸芸術工科大学教授。
主な著書に『住まいの中の自然』、『ソーラーアーキテクチュア・デザインブック』など。

■ 講演会:2010年10月23日(土) 15時~18時 講演会/懇親会

■ 関連展示:2010年10月21日(木)~11月2日(火)  11:00~17:00 ※日曜休館

■ 会場・主催:可喜庵

住まいの中の環境を微気候としてとらえ、住まいを自然環境と応答しているものと意識的に考えるようになったのは、パッシブデザインという考え方が現れた1970年代からです。パッシブデザインは住まいをどのように捉え、住まいの内と外をそう変えてきたのでしょうか?そして、今、日本の住まいの課題はパッシブデザインの観点からどこにあるのでしょうか?パッシブデザイン研究の第一人者である小玉祐一郎さんにお話していただきます。

◆ Ⅱ/ 世界の住居集落の「内と外」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA■ 講師:畑聰一(はた そういち)
1943年、石川県生まれ。2009年3月まで芝浦工業大学建築学科教授。主な著書に『エーゲ海・キクラデスの光と影』、『南欧のミクロコスモス』など。

■ 講演会:2010年8月28日(土) 15時~18時 講演会/懇親会
■ 関連展示:2010年8月26日(木)~9月7日(火)  11:00~17:00
■ 会場・主催:可喜庵

畑聰一さんは、国内の伊勢湾や九州の離島漁村、韓国、台湾、東南アジアの少数民族、地中海沿岸地域の集落などを長年にわたりフィールドワークされてきました。自然環境も習俗もまったく異なるフィールドに暮らす人々に唯一共通すること、それは彼らのなかにそれぞれ固有の共有する住居や集落のコスモロジーが存在することです。これまでのフィールドワークの知見を通して、共同性という視点から「住居の内と外」の在り方を再考していただきます。

◆ Ⅰ/ 和風の住まい術に学ぶ「内と外」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA■ 講師:山口昌伴(やまぐち まさとも)
1937年、大阪生まれ。道具学会会長。近著として『和風の住まい術』、『台所の一万年』、『仕舞える住まいの収納学』、『水の道具誌』など。
■ 講演会:2010年6月19日(土) 15時~18時 講演会/懇親会   
■ 関連展示:2010年6月17日(木)~29日(火)  10:00~17:00
■ 会場・主催:可喜庵

南北に長い日本列島、北海道から沖縄まで日本各地には多様な風土があります。日本の住まいの内部空間と外部空間はそうした多様な風土を上手に活かし、その地方の伝統的な暮らし方を生み出してきました。山口昌伴さんは和風の住まい術に造詣が深く、長年にわたり日本全国を見て歩いてきたフィールドワーカーです。山口さんの目を通してみた和風の住まい術からこれからの日本の住まいの「内と外」についてヒントを学びたいと思います。

2010年度可喜庵連続展示・講演企画―住まいの「内と外」によせて

Raymond一枚の魅力的な写真が残っています。藤棚の下のパーゴラで食事をとる老夫婦。婦人の下では愛犬が寝そべっています。二人の背後には豊かな植栽が茂り、ゆったりとした時間と気持ちのいい風が見る者にまで流れてくる気がします。老夫婦は建築家のアントニン・レーモンドとノミエ夫人。雨の降らない日はいつもこのパーゴラの下で昼食をしたといいます。場所は戦後間もない麻布のアトリエでした。こうした写真を見ると、気候のいい季節には外での暮らしを試みてみたいと思いませんか。
 ところで、レーモンド夫妻のような暮らしが日本人になじみがなかったのかと考えてみますと、そうではないことにすぐ気がつきます。  かつての日本人の暮らしは今ほど家の内と外がはっきりと区別されていませんでした。農家では前栽や裏庭が設けられ、町屋には中庭があり、それらは土間や縁側で室内と緩くつながり、そうした空間構成が四季の生活の設えや近隣との関係に潤いをもたらしていました。
 近年、都市に住宅が密集し、住宅の断熱気密性能は向上しましたが、かつての住まいがもっていた「内と外の豊かな関係」は、残念ながら日本人の住まいから衰えていく一方だと言わざるを得ません。それは室内の暮らしを貧しくしているとともに、家の外の環境も同時に貧しくしていると言えるのではないでしょうか。
 可喜庵では今年度の企画テーマとして「住まいの内と外」と取り上げ、かつての日本人の住まいがもっていた豊かな内と外の関係を演出した仕掛けと季節の暮らしをもう一度見直してみたいと思います。そして、そうした工夫を現代の住まいにどのように活かしていったらいいかを考えます。

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