株式会社 鈴木工務店 ものがたり奏でる家

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建物完成見学会のときに、担当者が住まいについて、イラストや写真を用いて解説しています。

風景・外から内から


第三回 「ゆとり」


住まいは、機能一点張りでは息苦しくなります。
特に部屋を組み合わせたプランに起こりやすいと思います。

また、門扉を入るとすぐに玄関というのもいただけない。

そこで、日頃からゆとりある設えをしたいと思っています。




Exif_JPEG_PICTURE【露地と玄関】
この家では、門扉から玄関まで長めのアプローチにしました。屋根庇を掛けることで雨掛かりも無くなり、足下の植え込みが季節の変化を持って迎えてくれるはずです。

植え込みにかかる屋根には一ヶ所穴を開けて雨水が樹木に落ちてくるようにしてあります。ここには少し背の高くなるシンボルツリーがくる筈です。奥行きのある露地はひと息つかせてくれる効果があると思います。

玄関に入ると土間続きの大物も収納できるクローゼットが待ち構えています。壁には物が止められる横木を回してあります。何でも入り、不意の来客では物の緊急避難場所にもなる安心感があります。
また、玄関とキッチンの間には扉が壁の一部になったパントリーを設けました。

Exif_JPEG_PICTURE【二階の風景】
二階は個室からなるプライベート空間になっています。

上下を結ぶ階段は天窓から差し込む陽光が溢れる多目的ホールがあります。
階段を取り囲んで机を設けました。
そこは、家族が思索にふけるオープンなリビングでもあります。

ホールに付随する窓は風景を楽しみ、心地よい風を通す装置でもあります。
そんな窓を通して見える風景が疲れを癒してくれると思います。

個室には付属したロフトがあり、季節替えの収納場所です。

ちょっとしたゆとりの空間が日々の生活にゆとりを作り出してくれると思います。
そして、窓は太陽の動きに連れて光の陰と陽の変化を室内に出現してくれますし、
そんな風景を愉しむことが暮らしに刺激と変化を生んでくれると思います。(終わり)

「第二回 「ワンルーム」


OLYMPUS DIGITAL CAMERA【仕切りなし】
田圃の田の字の民家プランは障子、襖や板戸で仕切られただけのシンプルで無駄がない美しさを持っていると思います。そんな民家なようなワンルームの家の設計を心がけています。

しかし、家には多くの要望があります。

例えば家族数が増えるにつれてプライバシーの欲求が高くなり、仕切りの壁が欲しくなります。
間仕切壁で囲われた個室が生まれてきます。

また、敷地形状によってはプランにも影響がでます。
さらには耐震等級レベルを上げると耐力を担う壁が数多く室内にも必要になってきます。

そうしていくうちに、部屋という箱の組み合わせ状態に陥っていくのです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA【引き戸】
住宅を設計するとき、内部の扉は「開き戸」は使わずに、「引き戸」にすることにしています。時には「引き戸」が納まらないことになって苦労することもありますが、そんな時でも「納めて」います。

どうして「引き戸」にそこまで拘るのか。

「引き戸」は壁に引き込むことで、視界から消えてくれます。「引き戸」は出入りの動作が邪魔になませんし、遠慮しながら開く必要もありません。両手が塞がっているときは禁じ手をちょっとだす事もできます。
「開き戸」はそうはいきません。

「引き戸」を開けると一体となった空間が出現します。視界も広がり、それぞれの部屋で孤立していた空気が自由に動きだす気がしてきます。空気の回遊とでもいえるのでしょうか。一つになった空気は家族の気配も運んできてくれます。一つ屋根の下で、何をしているのか、何かほしいものがあるのか、そんな空気感が伝わってくるのが好きで、ワンルームを目指しています。

そうそう「音」も空気に乗って部屋中を旅することになります。心地よく響く音も時には騒音に思えることもあるかもしれません。しかし、ちょっと気使いすれば家族ですから解決できるとは思っています。

第一回 「風景をつくる」

hagaki

古くからある町並みに新築する時、その町並み風景になじむことが大事ですが、
それだけでは魅力に欠けます。

町並みへのインパクトも必要と考えます。
その風景を新鮮にする力が、新しい家に求められると思います。
そして外に貢献する風景のほかに、やはり室内から楽しむ風景もあります。
この場と家に意外感と面白さを求めてみました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 【外からの風景】

住宅を解体して新築しました。敷地は道路より約一メートル高く、東西に湾曲した北側の道路に沿ったすこし変形の土地です。

道路面と同じ既設の車庫スペースはそのまま活かすことにしました。
この車庫スペースの一部を駐輪場を兼ねて拡張し門扉を設けました。

門扉からは下屋庇が掛かったアプローチを、建物との間の植栽に沿って路地を楽しみながら玄関へ導かれる風景を作りました。
敷地の形状と長さを活かしています。

また、道路に沿った木塀、外壁板張りと緑の植栽が奥行き感を作っています。

東側からそぞむ屋根は平面に倣って雁行しており、変化が出ています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA【室内からの風景】

玄関ホールの引き戸を開けると丸太の大黒が建つ広い一室のLDKに入ります。
そして、キッチンに繋がって浴室・洗面所を配置。
それぞれに専用デッキを設けました。
後者のデッキは庭仕事の準備や物干し場そして勝手口として使います。家庭菜園も出来ます。LDKからは目に入りにくくなっています。

LDと一体のデッキはすでにある植栽で部屋内からは囲われた雰囲気を出して、落ち着く場所にと考えました。

一方、二階は視界が開けています。バルコニーからは隣家の屋根越しに中央林間の高層ビルと大山、富士山が一望できます。朝日に映える山々、夕刻の山並みシルエットが楽しめるはずです。
このバルコニーは屋根庇に覆われており視線が東西方向に広がります。ひょっとしたら一人、思いにふける場になるかもしれません。

これ以外にも、この家にある風景のいろいろを外や内で感じていただけるはずです。