株式会社 鈴木工務店 ものがたり奏でる家

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私たちの家づくり

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基本はビー・スポークン「相手に話してもらう。」「聞き出すこと。」 お客様の要望を単に聞くだけではありません。住まい手の想いを聞き出し、顕在化していない想いに気づいて貰う”bespoken”です。コミュニケーションが深まることで、その人にあった半歩先行くデザインの「普通の家」づくりができるのです。

1 空間の豊かさについて

空間の「豊かさ」を実現するために私たちが心がけていることをお伝えします。

【Be spoken】お話ししましょう

基本はビー・スポークン「相手に話してもらう。」「聞き出すこと。」お客様の要望を単に聞くだけではありません。住まい手の想いを聞きだし、顕在化していない想いに気づいて貰う“Be spoken”です。
コミュニケーションが深まることで、その人にあった空間の豊かさをもつ、半歩先をゆくデザインの「普通の家」作りができるのです。

土地の記憶と風を聞く

土地から観察して読みとったことを、家づくりに活かすことでオンリーワンの住まいが生まれます。その土地のもっている特徴、家と家の間から見える緑、太陽の動きと風の動き、時には土地の文化などがわかればさらによいと思います。お客様の愉しい生活を包む、となる空間を作るための一歩となります。

温故知新の家づくり

鈴木工務店は百二十年前より三代続けている工務店です。三代目 鈴木亨は、幕末に建ち時代の変化に応じて改修を重ねてきた茅葺民家「可喜庵」で生まれ育ち、東西冷戦時代のイギリスで設計の仕事を行いながらヨーロッパを中心に、建築と暮らしを見る旅をしました。「どこに、求める暮らし・住まいはあるのだろうか。
新しいものが厳しい自然環境や歴史あるものと共生して、地域性に根ざした家づくりが行われている風景から、ひとつの答え “温故知新” を見つけた旅でした。そして無駄を省き、知恵をかけ、より美しく使いやすく、時間の経過に耐える「普通の家」づくりに結実しています。

空間の演出

住む人が好きと思える居場所を持つことが豊かな生活の礎ではないでしょうか。それは便利なだけの空間でなく、暮らす中で愛着が生まれ、心の支えとなる空間です。それぞれの住まい手と向き合った空間の演出で、十人十色の心満たされる住まいづくりを目指しています。

  • 真夏は日射を遮り濃い陰で「闇」をつくり、冬は陽だまり穏やかに木立の影長く伸びる庭を愉しみ、季節を眼と肌で記憶を残す空間となります。

  • くつろぎながら、陽が射し、雨が降り、雪も舞う風景はやすらぎと驚きのある癒しの空間となります。

  • 雑木雑草の小さな命は、こどものこころの引出しを増やし、年を取ってからは保養と命の源となります。

  • 晴れやかな日と日常があるように、光の空間だけでなくと影の空間で暮らしや心にメリハリをつくります。

  • カウンターの高さを数センチ考慮することで、主婦以外の家族のキッチンに入る頻度が変わってきます。

自然の恩恵を享受する

緑と目に見えない熱と空気をデザインすることが暮らしに必要だと考えます。緑のある庭は家と一体となって暮らしにゆとりをもたらすデザインです。自然エネルギー「光」「熱」「空気」「風」を住まいにいただく仕組みが、パッシブデザインです。できるだけ機械に頼らず、家全体が夏涼しく・冬温かいと、楽に過ごせますね。家の中でも活動的に健康に暮らせるようになります。

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2 構造と材料について

鈴木工務店には「建築家」「材木商」「施工技術者」という三つの翼があります。私たちが構造と材料を選ぶ基準として もっとも重要と考えることは暮らしの変化を受け入れ、時間の経過に耐えることです。

暮らしの変化を受け入れる(構造)

ライフスタイルが変化するにつれて、私たちが住まいに求める空間のかたちも変化してゆきます。建物の骨組みをスケルトン、内部の可動できる壁等をインフィルと呼びますが、ふたつを分けて計画することは、将来の間取りの変更に、柔軟に対応させるひとつの方法です。また、建築よりも寿命が短い設備や機械をメンテナンスしやすくし、建物そのものの寿命を伸ばします。シンプルな架構の骨組みを見せることで、空間にリズムと力強さ、伸びやかさを与えます。耐震の上でも構造のンプルな架構の建物には無理な力がかかりません。鈴木工務店の新築の住宅は耐震等級2以上とし、通常の等級1の建物よりも強度を高く計画しています。

時間の経過に耐える(材料)

鈴木工務店は自分たちで木を扱う「木材店」でもあり、林場と呼ぶ材木庫に良質な木材をストックしています。木は素材の側からの発想の源にもなります。外国産の樹種をデザイン上使用する場合もありますが、基本は日本の環境・風土の中で生育した材料の適正を考え、積極的に国産の材料を中心に使用しています。
また、鈴木工務店では,自然素材という声が高まるずっと前からただ体にとって「気持ちがいい」という理由を優先して、室内外の素材を「木」や「紙」や「土」由来の〈素〉に近い材料を選び、家づくりをしてきました。住めば住むほど愛着が増してくるのが自然素材の良さです。

3 パッシブデザイン

四季がある日本では、家を開いたり閉じたりして、光・熱・風などの自然エネルギーをやり取りすることが大事です。「パッシブな家」はエネルギー消費の少ない快適な家。そして健康に永く住み続けられる家です。

日本の気候―四季―

日本には、四季があり寒暖の差があります。一方、通年を通して日照に恵まれ太陽の光と熱が降り注ぎます。冬には、太陽の熱を取り込み、夏には遮るという相反することが必要とされますが、自然を取り込むことに長けた日本の家では、方角と四季によって異なる太陽の角度を利用し、庇や簾などを活用してこの要求に応えてきました。また、暖房や冷房しているときは、熱が逃げない「閉じた家が」、酷暑ではない夏期には「風」を取り込む「開かれた家」が必要とされます。元来 日本では、窓は「間戸(マド)」と表記されたそうです。木造の柱と柱の「間」を仕切る「戸」がマドなのです。先人たちは、この「間戸」を開けたり閉めたり、また装いを変えたりして、この要求に応えてきました。「家は夏を旨とすべし」、「閉じた家と開かれた家、どちらが良いか」などという話もありますが、季節によって、閉じたり、開いたり、自然エネルギーの活用方法を変えながらコントロールし、一年中、快適で省エネルギーに暮らせる家が、日本のパッシブデザインの家だと考えています。

快適性・健康

暮らしの器となる家は、省エネに優先されて、安心して「快適」「健康」に過ごすことができる場所でなければなりません。日本の冬では、コタツに代表されるような、人を暖める「採暖」という方法で暖をとってきました。一方、「暖房」とは、読んで字の如く「房(空間)」を「暖める」方法です。「採暖」では、家族が火元の近くに集う光景も伺えますが、一方で暖房器具のない寒い部屋は使われなくなり、結露の惧れも大きくなります。家の断熱をしっかりと施し、「暖房」がしっかり効く家では、家の中での温度差が少なく、冬でも家全体を活発に使えます。もちろん冷房時にも。また、少ないエネルギーで暖房・冷房できる家は、間仕切りの少ないオープンな家づくりも可能となります。健康面でも、各部屋で温度差のある家では、温度差により血圧・心拍数の増減が激しくなり、健康に重大な悪影響を及ぼすだけでなく、ヒートショックなどの深刻な事故に繋がる危険性もあります。夏には家庭内での熱中症に繋がる場合もあります。温熱環境のバリアフリー化が健康な家には必要です。エアコンを不快だと感じられる方は少なくありません。断熱性能の悪い家では、エアコンで空気だけが暖められ、冷えたままの床・壁・窓・天井に体の熱が奪われてしまい暖かさが得られないのがその原因です。問題はエアコンではありません。体感温度≒(部屋の表面温度+室温)/2と言われています。断熱性能を高め、空気だけでなく家自体を暖めることが快適さに繋がります。また、頭寒足熱と言われるように足元の方が少し暖かい位が丁度快適なのですが、自然の空気は、暖かい空気は上に上昇し、冷たい空気は足元に下降する反対の動きをします。空気の流れをシミュレーションし部屋の温度差だけでなく、上下の温度差を少なくすることが必要です。1年を通して、健康で快適な温熱環境の得られる家は、断熱をしっかり施し、見えない空気がデザインされた家です。

家の消費エネルギーと自然エネルギー利用

住宅で消費されているエネルギーは、図のような構成となっています。照明エネルギーは、日照:太陽の「光」を取り込むことで、暖房エネルギー・給湯エネルギーは、太陽の「熱」を取り込み、逃がさないことで、冷房エネルギーは、太陽の「熱」の浸入を防ぎ、「風」を取り込むことで、消費エネルギーを削減できます。消費7用途:明るさ・温かさ・涼しさ・換気・お湯・家電・調理について、パッシブ6要素:太陽光・太陽熱・断熱・蓄熱・日射遮蔽・通風をいかに利用するかが鍵となります。

住み継がれる、自然と呼応する家

断熱は新しい技術ではありませんし、自然に応答するよう建物や窓の配置を決めていくことは昔から行われてきた先人の知恵・工夫です。私たちは、これらの知恵に新しい技術を組み合わせながら、設計段階では一件一件異なる気象条件・立地条件(隣家配置・風の通り道)、場所の特性を読み、断熱性能・冷暖房負荷(コスト)をプログラムでシミュレーションしながら敷地の中に建物を置き、窓(①熱を取り込む。②光と風の道、③空気(温度、換気)をデザインしていきます。また、施工段階では、気密や断熱の連続性を確保する断熱ラインのデザインに配慮しながら施工を進めていきます。建物の設備は、次々と性能の高いものが現れ更新されていきますが、断熱などの建物自体の性能を高めることは大変です。更新されていく設備が効率的に働くことのできる住宅性能を持ち合せていなければ、いくら建物の耐久性が高くても、建物の耐用年数は短くなってしまいます。建物を長く使うことは、一番の省エネ・エコに繋がります。自然を取り込み、季節によって装いを変える家は愛着が生まれ、温熱環境的にオープンな家では、ライフスタイル・プランの自由度が高まり、使われ方を変えながらも住み継がれていくことでしょう。太陽の光と熱・風などの自然の力を利用し、住宅性能そのものを高めることにより、より少ないエネルギーで、自然を感じながら、快適で健康な、永く住み続けられる家、そんな家づくりを目指しています。

パッシブデザイン実例

日照

夏の日射を遮りながらも高窓から庇を反射した柔らかな光が建物を満たす。

通風

ウィンドキャッチャー窓の前を流れる風を取り込む袖壁。西の外壁が伸びたウィンドキャッチャーは、夏には西日を遮るとともに道路からの視線を遮る。

換気:温度差換気(高低差)

吹き抜けなど、断面的にもオープンな家では、トップライトによる排熱が効果を発揮する。

OMソーラー

OMソーラー屋根で温めた空気を床下に送り込み蓄熱と換気も利用した太陽熱暖房システム。太陽熱給湯・太陽光発電との組合わせも可能。

冷房(日射遮蔽)

日射遮蔽は、外付けブラインドや簾など窓の外で行うのが効果的

屋上緑化による照返し防止・植物の蒸散による冷却効果

蓄熱:昼の太陽熱をコンクリートなどに蓄熱し、日中はオーバーヒートを予防し、夜間は放熱する。

大きくとられたテラコッタ貼りの玄関土間に、南開口部からの日射熱が蓄えられる。

コンクリートブロックの隔壁は、OMソーラーの太陽熱を蓄熱し、夜間も寝室を快適な温度に保つ。

ゼロエネギー住宅

OMソーラーに太陽熱給湯・太陽発電・全熱交換気・省エネ設備を組み合わせてゼロエネルギーを達成した住宅

4 家づくりを愉しむ

家づくりを愉しむために鈴木工務店が作り手として心がけていることをお伝えします。

施主を囲んで

ものづくりで大切なのは、人の心だと言われています。「施主」として心組みに参加していただくこと、それが家づくりに関わるものみんなで奏でる音楽・セッションの「要」となり、作り手一同の心が束ねられます。私たちは工事の始まる前に社内スタッフや大工、関連業者みなが一堂に集まり顔を合わせる「施主を囲んで」という集まりを開いています。顔と思いが見える家づくりです。

つくり手として

設計担当者は、お客様とイメージを共有するために、打合せに図面とCGを使うことで部屋や空間を感じたり、気づきやすくしています。また、打合せの場である鈴木工務店事務所は、素材の手触り、質感、空間の居心地、私たちの仕事の質などを直接確かめられ、暮らしをイメージできるモデルスペースでもあります。鈴木工務店には専属の大工職人がおり、設計のできるスタッフが現場を管理しています。現場監督と設計担当と大工職人は月に一度の「カイゼン会議」で集い、自分の現場での工夫や経験をそれぞれ披露します。教え合い視野を拡げ、共有することで知識と技を磨く場です。

5 住み継がれる

家族が幸せで家に愛着を持ってくださることが、住み継がれるために大切なことと思います。家に手を掛けるお手伝いすることで、懐かしく、かつ新しさのある家として住まい続けられる家、「故郷となる家」をつくることが私たちの願いです。

維持管理・家守のしごと

鈴木工務店の受ける仕事は「すぐに駆けつけられる距離(車で50分圏内)」です。作り手と住まい手のかかわりは、住宅が竣工したら終わりになる訳ではありません。かかりつけ医として家の健康や、暮らしの変化を気軽にご相談できる存在でありたいと思います。

リノベーション

家族構成やライフスタイルにつれて住まいに求める空間のかたちも変化してゆきます。リノベーション・リフォームとは、新築ではないもうひとつの自分らしい住まい方の選択です。鈴木工務店のリノベーション・リフォームは新築と同じく「空間の豊かさ」「構造と材料」「家づくりを愉しむ」をコンセプトとした家づくりです。