かきのたねvol.58 お手入れ ら・ら・ら「窓から始める快適生活」

窓回りの断熱で暮らしが変わる

築30年の断熱リノベーション事例。

築年数を経た住まいの快適性を高めたい方には、窓リノベをおすすめしています。なぜなら、室内の熱の損失は窓からが5割以上と大きいから。外気の影響を受けやすい窓を断熱窓に交換したり、内窓を加えたりすることで、夏も冬も室内を心地よく保てます。結露の軽減や防音効果もあり、静かで健やかな暮らしが実現します。

写真は築30年の2×4で建てられたハウスメーカーの住宅を断熱リノベーションした事例です。構造の壁や開口部の位置はそのままに、ペアガラスの断熱樹脂サッシに刷新。外断熱を採用し外装修繕とあわせて施工しました。2020年竣工時ですが、2022年改正の長期優良住宅の断熱性能を満たすレベルまで性能が向上しています。

図:YKK AP

鈴木工務店では、既存住宅でも快適性の向上をめざす窓リノベを提案しています。窓の性能は国の省エネ性能基準※とともに進化しています。現在の住まいも性能を高めることで、これからの暮らしをもっと快適に育むことができます。

国や自治体も補助金で後押し

2025年度の「先進的窓リノベ事業(国庫)」では、内窓設置・外窓交換・ガラス交換などが補助対象です。製品性能や設置条件に応じて補助額が決まるため、初期費用を抑えて導入できます。東京都をはじめとする地方自治体でも省エネ改修に関する補助事業を行っているところが増えていますので、改修を検討の際には要チェックです。

断熱性能の高い窓は冷暖房の効率を高め、光熱費の節約にもつながります。省エネと快適性を両立し、環境負荷も抑えられる窓リノベは、自宅や中古住宅の資産価値を高めるはずです。なお、鈴木工務店は先進的窓リノベの登録事業者です。まずはお気軽にご相談ください。
(鈴木工務店 設計・アフターメンテナンス/二級建築士 山崎愛子)

上:シングルガラスのアルミサッシから、ペアガラスの断熱樹脂サッシに入れ替え。 下:外壁は外断熱+ほたて漆喰で仕上げました。

外断熱+ほたて漆喰で仕上げた外壁と樹脂サッシ。

※注釈:【省エネルギー基準の推移】
1999年:次世代省エネ基準導入/2000年:住宅性能表示制度が制定/2013年:新省エネ基準に対応(要求性能:断熱等性能等級4相当)/2022年:断熱等性能等級67が新設(要求性能:長期優良住宅の断熱等性能等級4から5へ) 

出典:YKK AP 、国土交通省HP