こまめなお掃除が家事ラクのポイント。レンジフードは本格的な冬の前に手をつけよう

季刊誌『かきのたね』の「お手入れ ら・ら・ら」のバックナンバーより。今回はレンジフードのお掃除についてお届けします。

油汚れの溜まるレンジフードは、本格的な冬の前にお手入れを

キッチン廻りの油汚れの代表格といえば、レンジフード。寒くなると油汚れは凝固して取れにくくなりますので、年末の大掃除に先駆けて手を付けたい場所のひとつです。

築20年のS邸。ファン(換気扇)が露出しているタイプのシンプルなレンジフード。お手入れが行き届いたステンレストップのキッチンには愛着が感じられます。

レンジフードは大きく分けて、フィルターが付いているタイプと付いていないタイプがあります。どちらにせよ、それぞれ部品を分解してその油汚れを落とすことに変わりはありません。その際のコツを紹介します。

掃除の際にはまず説明書をよく読んで下さい。お手入れの方法が記載されています。正しく部品の取外し・取付けを行いましょう。自己流は故障の原因になります。部品の分解ができたら、下記の4つのポイントをチェックしながらお掃除を進めましょう。

2019年竣工のK邸リノベーション。木製天板のI型オリジナルキッチンを作りました。レンジフードはノンフィルタータイプのスリム型(薄型)。スタイリッシュな見た目と手入れのしやすさで人気があります。

ノンフィルタータイプ図版

2018年竣工のK邸。フィルタータイプのレンジフード。

フィルタータイプ図版

①部分によって洗剤を使い分ける

塗装されている部品とそうでない部品によって洗剤を使い分けます。大部分のレンジフードの説明書では中性洗剤以外の使用を禁止しています。塗装面の劣化を招くおそれがあるからです。

しかし、油は酸性なので、頑固な油汚れにはアルカリ性洗剤が有効です。塗装が施されていないファンなどの部品の洗浄には使用できます。念のため、部品の端で試してからの使用をおすすめします。

では塗装面の油汚れに有効なのは何かというと、重曹です。

重曹は弱アルカリ性ですので、容量に注意すれば塗装面を劣化させる心配がありません。お湯100mlに対して小さじ1杯(5g)程度の濃さ(※)で使用します。

こちらもやはり、目立たない端の部分で試し、塗装面の剥がれ等が見られないことを確認してから使用を開始しましょう。

②整流板のお掃除には

フィルターなしのレンジフードに設置されています。整流板は塗装されているので、スプレー容器に入れて希釈した重曹水を吹付け、しばらく時間をおいてやわらかいスポンジ等で洗い落とせばOK。

③フィルター・オイルパック・ファンはつけ置き

2重にしたゴミ袋の中に部品を入れ、シンクに置きます。50℃くらいのお湯約2Lを入れ、重曹を適量(※の割合で)入れます。さらに中性洗剤を加えるのも有効です。20分ほど付け置きした後、スポンジなどで汚れを落とします。

④レンジフードのお掃除頻度は?

レンジフードのお掃除は少なくとも1カ月に一度は行いましょう。早め早めにお手入れすれば、中性洗剤でも汚れは簡単に落ちるので、塗装面の劣化も防げます。

油が付着した状態で長期間使用しますと、酸化した油で塗装面が変質して塗装剥がれが起きる可能性があります。

年末まで早2か月あまり!汚れをため込み、そうじに忙殺される年の暮れを回避するためにも、こまめなお手入れで掃除の負担をラクにしましょう。