安藤忠雄展 挑戦

昨日、安藤忠雄展にやっと行ってきました。

タイトルである「挑戦」という言葉が表すまま、

熱いエネルギーを

いっぱい身体に感じてきました。

 

これまでの様ざまな周知の建築物を通して、

人間ー安藤忠雄に触れる?

いや、そんな生易しいものではなく、

なめ回してきた感じです。

 

なんせ今回の展覧会は、全部、事務所の自前だそうで、

直島プロジェクトの模型や、

イタリア・ヴェニスのプンタ・デラ・ドガーナの模型等、

もうそれだけで、

コレ、何日間かけて造ったんだろう?

と思ってしまいます。

すごい迫力です。

 

加えて様々なところで、大小100台のモニターを使って

作品が紹介されており、

北海道真駒内の頭大仏の工事など、

鎌倉の大仏さんのようにさらけだされた大仏さんが、

建築物で、だんだん頭だけになっていく過程を

早送りで再生しており、とてもユニークでした。

 

展示の目玉、「光の協会」は、

実物大のコンクリート造で野外展示上に再現されていますが、

朝日新聞の安藤先生の連載に寄ると、

元の建物は3500万円ぐらいだったのに、

今度は展示でなく、増築に当たるということで

作業も建築費も余分にかかって、

7000万ぐらいになったというのですから、笑えます。

 

会場の解説の中で、最初は屋根もなかった、

屋根のない教会なんて、

まだ実在しないから面白いだろうと

安藤先生は話していましたが、

結局、工務店の社長の寄付で、屋根はついたようです。

 

でもその十字の前に座って見上げると、

その隙間から、流れる雲を見ることが出来、

その一瞬の光景に、祈りに近いものを感じ、心が打たれました。

もし屋根がなかったら、雲の流れが継続的になってしまうような・・・

 

長屋の自宅を2階建てに増築した、先生が中学の時、

お昼も食べずに、一心不乱に働いている大工さんを見て、

これは面白い仕事に違いないと思ったのが、

この世界に入ったきっかけのようですが、

先生が言葉言葉のはしばしで使う『一心不乱』

ということに感銘します。

 

『これからも人の心に中に残るような建築を造りたいと

思うんですが、自分が闘わないと、心には残らないのではないかと』

 

『自分の仕事で何が出来るか 全力で走っていきたい』

 

活力を与えてくれる個展でした。

18日(月)までです。(西野博子)

 

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