木の家のお手入れ

鈴木工務店の季刊誌『かきのたね秋号』では木の家と無垢木の特徴について掲載しています。今回は補足として無垢木仕上げのお手入れについてお届けします。

木の呼吸を妨げない仕上げとお手入れ

鈴木工務店では無垢木のフローリングを提案しています。仕上げは蜜蝋系のワックスです。硬い塗膜で表面を覆うウレタン塗装とは異なり、浸透性のため無垢木の呼吸(水分の吸放出)を妨げません。無垢木のカウンター天板も同様の仕上げです。

硬い塗膜はある程度長期にわたって水を弾きます。それに比べて、浸透性のワックスやオイル塗料はすぐに拭き取らないと染みが残るので、水まわりは特に、撥ねた水などはすぐに拭き取るようにしましょう。また、住み始めてしばらくは、キッチンカウンターなどはまめに浸透性の塗料かワックスを施してあげると木が健やかな状態に保たれます。1回/月から徐々に感覚を開けていくと、が馴染んで乾燥やひび割れを防いでくれます。

心持ちとしては、多少の染みは愛着の印として受け入れられると、気持ちもラクに木の家の暮らしを楽しめます。時間と共に灼けて艶を増す無垢木の表情と同じく愛でる事ができれば、あなたも立派な木の家loverです。

一方、前出のウレタン塗装は無垢木にはおすすめしません。水分の吸放出が妨げられるので、梅雨時などは表面に湿気が留まりベタベタした手触りになります。再塗装の際は表面の塗膜を一旦削り取る必要があるので、日常的なお手入れとしても不向きです。

日頃のお手入れは乾拭きが基本

乾いた雑巾で拭き掃除をします。水に濡れたらすぐに拭き取ります。薬品のついた科学モップなどは変色の原因になることがあるので使用を避けてください。お施主様のなかには、お手製の米ぬか袋で日常的に拭いている方もいらっしゃいます。(写真提供N様)

無垢材フローリングの傷、簡単な修復方法

無垢のフローリングで多いのは、やはりスギ、ヒノキ、パインあたりでしょうか。どれも柔らかく足触りがいいのが特徴です。柔らかいということは物を落としたり引きずったりすれば傷がつきます。これも暮らしの証と愛でられればいいのですが、DIYレベルの修復方法もあります。

傷に濡らした雑巾を当ててアイロンをかけます。木の陥没部分に水蒸気が吸収されて凹みが回復します。木の組織ごと抉れている傷はこの方法では回復できませんが、物の落下などによる陥没傷なら修復可能なので、くれぐれも火傷に気をつけてトライしてみてください。

木の組織ごと抉れた傷には、補修剤を埋め込み表面を軽くヤスリをかけて浸透系のオイル塗装やワックスで馴染ませる方法もあります。傷の補修剤はホームセンターなどでも手に入ります。

新建材にはない、無垢材の表情と変化を楽しめるか

新建材のメリットは変化しないことでしょうか。木目がプリントされた今どきのプリント合板は一見するとフェイクかどうか分からないほど精巧です。まぁ、よく見れば、そして触れればすぐに分かるのですが…。なので、商業施設などではとても重宝です。表面がツルツルで汚れを拭き取りやすく、温度や湿度にもある程度強いです。家にもその性能を求めるならば、新建材の既製品を組み合わせたパッケージタイプの家づくりが最適かもしれません。

一方で、無垢の木は温度、湿度で動きます(もちろん構造材の変化は許容範囲内です)。それをデメリットと感じるか、自然素材の特徴と捉えて、ぬくもりや質感のメリットを享受するかは、住む人それぞれの価値観です。これから家を建てる人は、どんな家と暮らしが好きなのか、自分にとってくつろげるのかをじっくり考えてみてください。依頼先や使う材料の特徴を間違えると、住んでからちょっと?いや結構残念なことになってしまいますので。