猛暑でのエアコンの使い方、電気代だけがポイントではない理由

来週からまた猛暑再来の予報です。。。毎年、今年の夏は異常な暑さで・・・と言っているような。そこで、自宅でのエアコンの使い方について考えます。

1階リビング天井にダクトからの吹き出し口が見えます。エアコン本体は屋根裏にあるため視覚的にもすっきり。

よくある疑問。エアコンつけっぱなしと、つけたり消したりはどちらがお得か

この疑問、よく聞きますよね。エアコンメーカー各社が実証実験などをHP等で公開しています。「30分程度の外出ならつけっぱなし、それ以上留守にする場合はつけたり消したりがお得」(ダイキン)、「外気温が35℃を超える猛暑日はつけっぱなしがお得」「真夏の日中はつけっぱなしが、夜はつけたり消したりがお得」(パナソニック)など。

要は、外気温とエアコンの室温設定の差が大きくなると、エアコン稼働時に消費電力も大きくなることから外出時間(長いほど室温が上がる)や外気温(高いほど室温が上がる)が目安となるわけです。

西日を防ぐ外付けシェードで日射を遮ることも、エアコンの効きをよくするポイントです。

電気代も大事だけれど、身体への影響も考えて

上記のダイキンの実証実験はワンルームマンションでした。帰宅して室内が高ければ、掃き出し窓を1か所と玄関を開けて熱気を逃す換気をしてからエアコンをつければ、室内の冷え方も早く消費電力も抑えられます。

でも、戸建ての場合はそうはいきません。あちこちの窓を開けて換気をし、また閉めてまわるのも手間です。また、上下左右を隣戸に挟まれたマンションと異なり、屋根と四方の壁が直射日光に晒される戸建ては、一度建物が暑くなってしまうと冷めにくいのも事実。ましてや熱帯夜続きだと、仕事を終えて帰宅後、夜寝る段になっても建物が冷えず、エアコンをつけているのに熱中症のような症状になるケースもあるようです。

猛暑続きの昨今の夏対策としては、長時間の留守でエアコンを切っても、帰宅時間より前にエアコンを入りタイマーにしておくなど、工夫が必要です。

おまかせ運転で家を暑くしない

鈴木工務店では、ダクト式エアコン等での全館冷暖房を提案しています。家全体の温度差を小さくできるので、廊下や脱衣室でのヒートショックを防ぐメリットがあります。また、暑くなったり寒くなりがちな屋根裏や北側居室でも過ごしやすく、家の隅々まで余すことなく使いきれます。

暮らしや空間利用の面でメリットが大きい全館冷暖房は、基本的には「つけっぱなし」運転をおすすめしています。設定を「おまかせ」にしておけば、設定温度に達した時点で省エネ運転になるので消費電力を抑えられます。

一度建物を暑くしてしまうと、冷やすのに時間も消費電力もかかるうえ、その間の不快感は続くわけで・・・結局は非効率ですよね。電気代だけ見て、時間や体力を消耗するようなエアコンの使い方は避けたいものです。

また、全館冷暖房を取り入れるなら、条件が許せば太陽光発電と組み合わせて電力を自家消費できると理想的ですね。

暖気は床下から上階へ、冷気は2階天井付近から階下へ。吹抜けがあると上下階でも空気が巡り室温の均質化に貢献します。

空調システムはいろいろあれど、基本は住宅性能

床下エアコン、階間(1階天井と2階床の間)エアコン、ダクト式エアコン、全熱交換換気などなど、全館空調のシステムや機器の組み合わせはいろいろありますが、どれを採用したとしても住宅の性能が悪ければ何の意味もありません。逆に住宅性能が高ければ、空調システムは問わないとも言い換えられます。

気密・断熱がしっかりしていれば外気温が高くても室内温度を一定に保ちやすく、エアコンの消費電力が小さくて済むので、「つけっぱなし」でも「つけたり消したり」とほぼ変わらない電気代で済む場合も。一番大事なことは、気密・断熱そして換気が十分な建物かどうか、ということなのです。

鈴木工務店では、HEAT20G2以上の家づくりをしています。断熱や気密施工の様子を公開する建築中現場見学会も開催しています。また、完成見学会では、エアコン1台で室内の温熱環境が快適に保たれている状況を実感できます。今月は8/27(土)28(日)に、建物完成見学会「おおらか」@東小金井を開催します。詳しくはこちらのHPイベントサイトからどうぞ。