住宅性能と節電と快適さのはなし 本日も午前中に35℃をマーク(町田市の鈴木工務店の外温度計)

節電呼びかけ行脚?

鈴木工務店のピロティの下で35℃をマーク。上部からのミストシャワーも一瞬で蒸発してしまいます。

会社に東京電力エナジーパートナーの方が来ました。なにやら、事業者向けに節電の呼びかけに回っているそうで。この猛暑の中、お疲れ様です!

電気代の高騰により、事業者によっては経営が立ち行かなくなることもあるわけで、わざわざ不満の矛先になりに若手の社員を行脚に向かわせているのかな、などと勘繰ってしまったりして。

実際、大変だと思います。エネルギー価格の高騰で、業務用の冷蔵庫や保管庫、電気釜等々を使用せざるを得ない製造業や飲食業は影響がすぐに出て死活問題です。

ロシアのウクライナ侵攻、世界的なエネルギー価格高騰、円安など、一事業者レベルではどうにもならない事情を孕んでいたとしても、事態の収集を待てる事業者ばかりではありませんから。工務店業界も、木材価格は落ち着きつつも他の住宅設備の値上がりに悲鳴が上がる今日です。

そんな中、「節電対策でお困りのことはございませんか?」ととても真面目に訪ねてまわるのですから、きっと強度のあるコーチングを受けて会社から放たれたのでしょう。重ねて、お疲れ様です!

創エネ+住宅性能を合わせた家づくりが一番の節電

会社の林場屋上と事務所屋上に太陽光発電パネルとOM集熱パネルを設置しています。緑がもっさりしていますが、こう見えて屋上庭園からの撮影です。先進の発電パネルの奥に、茅葺き屋根が見える景色が鈴木工務店らしい?

鈴木工務店は会社の屋根に太陽光発電パネルを設置しては9年ほど。来年で10年になり買取価格も下がる為、蓄電池を設置して自家消費に努めようかと考えているところです。

太陽光発電パネルは発電効率も数%の低下に留まり順調に稼働しています。確かに、ピーカンの日ばかりではありませんし、改修を重ねた古屋は、今つくっている住宅のような断熱性能を有していませんので電気代ゼロとはいきませんが。ちなみにOMソーラーも入っているので、冬の晴れ間はエアコン不使用です。

補助金効果で住宅でも太陽光発電システムを搭載するのは標準的になりつつあります。高い住宅性能により少ないエネルギーで冷暖房が叶うことを考えると、家づくりが最大の節電効果になるのは言うまでもありません。

東電さんが呼びかけている節電のはなし

と言うわけで、前段が長くなりましたが、東電さんに一般家庭への節電対策として呼びかけている内容を改めて聞いてみました。「エアコンの温度設定を1℃上げる」「除湿より冷房の方が消費エネルギーが小さい」「サーキュレーターは部屋の真ん中付近に置く」「30分以内の外出ではエアコンを切らずにおく」とのことです。もちろん、身体に負担のない範囲でと。

エアコンの運転モードは?間歇運転よりチロチロ継続運転

鈴木工務店では、気密・断熱性能を高めた家では冷暖房の間欠運転(つけたり消したり)はお勧めしません。自動モードのエコ運転でずっと稼働させることを推奨していますが、東電さんも、住宅性能が高い家ならばそうした運用もあり、とのこと。昭和の住宅はいわば断熱材がろくに入っていなかったりすき間だらけだったり、いわばザルのような住宅性能なので、間欠運転でないと電気代が膨れ上がってしまうわけですね。

お客様の住まいへ点検で伺うときに、室内の設定温度と室温、体感を確認しています。設定温度27度で室温が27~28℃になるように運転している方が多いです。外に比べて湿度も下がりますので、室温自体は低くありませんが体感的には心地よく感じられます。また、廊下に出ると暑い、というようなことはなく、家中がだいたい均質な室温なので、温度差による不快感もないようです。

また、エコモードの継続運転なら、帰宅時に急激に冷やす必要がありません。車でいう急発進するような運転が一番エネルギーを使うとのこと。体感的にもチロチロ運転でかつ帰宅時に快適な室温の方がずっと良いですよね。

もうひとつ、間歇運転ではエアコンを消した後に室温と機内の温度差が大きくなりエアコン内部の結露を生みます。一方で、継続運転ではその心配がずっと少なくなります。結露は機内のホコリとくっついてカビの温床になるので、衛生的な面からも継続運転のほうがおすすめです。