縄文建築

夏期休業中の実家への帰省の途中に藤森照信氏設計の2つの建物を訪れました(氏の設計による赤瀬川原平邸は町田市玉川学園にあります)。建築史家であり、路上探偵でもある藤森氏は縄文建築団なる素人建築趣味集団を結成して、設計するだけでなく、建築業者が”いやがる”ような見積不能,技術不安な一般的とはいいがたい仕上げ工事まで手がけています。

ねむの木こども美術館「どんぐり」(静岡県掛川市)は肢体不自由児療護施設ねむの木学園(宮城まり子園長)の子供たちの作品を展示する施設でどんぐりのような屋根は、団と子供たちが金づちで1枚ずつ折り目を付けた銅板でできています。
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モザイクタイルミュージアム(岐阜県多治見市)のタイルの原料を掘り出す採土場の風景からイメージしたという「おむすび山」のような外観は圧巻です。
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藤森氏いわく、建築物などの人工物は素材と素材の継ぎ目に目地を持ちます。一方、動植物などの生物はもとをたどれば一つの細胞が分裂してできたものなので、目地をほとんど持ちません。つまり目地があると無生物的に、目地がないと生物的に見えるということです。形態や素材の選びかただけでなく、「目地」をなくすような作り方による生物的な不思議さが魅力です。(小栗克巳)

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