窓の断熱

冬らしい寒さが続いていますね。服は肌着とアウターを含めて5層重ねると効率的に保温できるそうです。身体と布、布と布の間に空気層ができるため。それでも、首元や手・足首がすかすかしていると暖まった空気は漏れてしまいます。同じことは、住まいでも言えます。

住まいの場合、首ものと開口は窓に置き換えられます。その窓から逃げる熱は、暖房時は6割、冷房時は7割以上と言われています。そこで今回は、窓の断熱に効果を発揮して、建築にもなじむブラインドや建具を紹介します。

ハニカムスクリーン

空気層をつくる断面をもつハニカムスクリーンは、断熱効果抜群。上下の上げ下げで、不透明の不織布とレースの二通りを使い分けることが出来ます。

下半分を上げ下げできる「猫間障子」

障子はフローリングのリビング・ダイニングとも相性が良いですよ。写真の住まいは、下部の障子を上げ下げできる「猫間障子」です(上げ下げ面にガラスの入っているものは雪見障子)。上げた空隙からは、猫ならぬお子さまたちが出入りしているそうです。

木製建具の内窓。既存サッシとの間にハニカムスクリーンを設置

マンションや団地の場合は、サッシは共用部分のため更新できません。そのため、内窓を新設して断熱性能を高めます。既製品の内窓もありますが、鈴木工務店では建具屋さんのオリジナル木製建具を入れています。既存サッシとの間にはハニカムスクリーンを入れて、断熱効果をさらに上げています。

築150年、可喜庵の格子戸(手前)と障子(奥)

古来、日本の民家は、夏は格子の間仕切りを、冬のは障子を入れたりと、季節に合わせて建具を使い分け、暮らしも風情も楽しんでいました。建具を置いておく場所も、付け替える手間と時間も惜しい現代では、なかなかそうはいきません。でも、性能はもとより使い勝手と見た目もよい障子やスクリーンなら、住まいを暖かく、楽しく彩ってくれそうです。 (畑野)

 

掲載事例はworks(障子の事例)、

(団地リノベ・内窓の事例)からご覧になれます。