徒然とおる・「調光」でシーンを演出

2014年から今日に至るまで、川崎市麻生区エリアを中心に配布されているフリーペーパー『MY TOWN』に、鈴木工務店代表の鈴木亨が毎月コラムを寄稿しています。住まいや暮らしに関する話しで、ずいぶんと記事がストックされました。設計と施工を良く知るプロの視点で、また、自宅を暮らしの実験室として温度湿度、温熱環境を計測し肌で変化を感じてきた研究者の視点でもさまざまな話題を取り上げています。連載から5年が過ぎましたので、今年から過去掲載の記事を不定期でアップしていこうと思います。600字ほどの記事なので、気楽に読んでいただければ嬉しいです。もちろん、最新号の『MY TOWN』もぜひお手に取って見てください。毎月15日発刊です。

MY TOWN2019年1月号

「調光」でシーンを演出 (MY TOWN 「住まいのいいね!」コラムより)

「調光」とは、光を調理することです。調光のメリットはシーンを演出できることにあります。寝室やダイニングなどの空間の違いや、一人で読書をする時、パーティーを開く時などのシーン別の使い勝手により、照明の明るさを変えられます。また同じ部屋でも調光で雰囲気を変えることができ、年齢や好みによる明るさ感の相違も解消できます。

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他に、自然光・天候の変化に対応できる、省エネになり電球寿命も延びてメンテナンスが楽になるなどのメリットもあります。白熱球を調光すると、約10%の調光で10%節電・電球寿命は2倍に、25%で20%・4倍、50%で40%・20倍、75% で60%・20倍以上となります。暗くすると見えにくくなると思われがちですが、測定照度と視覚照度(見た目の明るさ)を比較した調査によると、測定照度100%(調光していない状態)から75・50・25・10%と絞っていくと、視覚照度は100・85・70・50・30%と測定照度以上に明るく感じています。

調光のデメリットはやはり器具の初期コストです。また、蛍光灯やLEDでも調光できる器具が増えましたが方式や動作が違うようなので、確認が必要です。これらを踏まえた上で、光を調理する楽しみを味わってみてはいかがでしょうか。