しなやかに生きる人と家

家族と友人、地域とつながりながら一人暮らしをたのしむ。
活動的な S さんの毎日を支える「フリースペース」のある住まいを訪ねました。

直感を信じて新たな生活を拓く

旗竿型で敷地内段差のある土地ですが、 駅に近いうえ、 丹沢山系を望む高台という好立地にSさんの家はあります。土地探しでこの地を訪れたとき、Sさんは直感的に「 ここだ 」と思ったそうです。

「 以前は駅近のマンションで便利だったんですが、 自然を感じる暮らしとは違いました。 子供たちも独立し、 近い将来二世帯としても使えるように、 気持ちよく過ごせる家を建てようと思ったんです 」

Sさんは家づくりの。パートナー選びにも迷いがありませんでした。 以前から鈴木工務店の木の家に関心のあったことから、声をかけたといいます。

「 基本的にはワンフロアで生活空間が完結すること。階下には、将来娘家族が過ごせるスペースをつくることを要望しました。あとは、 旅行が趣味だとか、 友人が遊びに来るとか。設計の方は、好みや生活スタイルの話など、とにかく何でも聞いてくれて、”それならこうした方がいいですよ”と提案をたくさんくれました」

そのひとつが、 段差のある敷地を生かす中2 階からのアプローチです。 玄関から半階上がった2 階に、 山並みを望むL D K と畳間、水まわりを配置。 半階下がるとワンルーム状のフリースペースが広がります。 娘さん家族が長期間滞在することもしばしばあるそうですが、 上下階ともに玄関からのアプローチが近いこと、 間に階段ホールと水まわりを挟むことで、 互 いに余計な気遣い無く共同生活を 送ることができるそうです。

「 娘たちとの距離感も、完全に同居するよりも良かったと思っています。 孫はまだ小さくて娘もサポートが必要な時期ですから、 家にいつでも来られる環境をつくったことで応えてあげられるかなと。実際居心地がいいようで、 娘たちも帰ってきたいとよく言っていますよ 」

「 おいし い空気 」の家で英気を養う

朝起きた時も、仕事から帰ってきた時も、「 家の空気がおいしい」と感じるそうです。 O M ソーラーで家中の空気が動き換気されていること、適温に保たれていること、そして、 相原の自然や景色が心身を整えてくれているとS さんは言います。 ちなみに、 相原の冬の 朝はマイナス2 度になりますが、室内は暖房をつけずに13度をキープ。 太陽光発電も採用し、光熱費は創エネルギー分で採算がとれているそうです。

活動的なS さんですが、 周りの人からは「 一人暮らしで寂しくな? 」とよく聞かれるとか。

「 全然そんなことなくて。 ここに来てから、 フリースペースでヨガをしたり、 庭に木を植えたり、ハーブで化粧水を作ったり。 家を拠点にいろいろなことにチャレンジしているんですよ。 普段の生活が充実すると家に愛着をもてるので、 家や暮らしに手をかける時間もたのしいです 」

忙しい仕事の合間を見つけて友人と山登りや旅行にも出かけますが、 その英気は自宅で養われているようです。 室内には、 旅先で求めた雑貨や バティック のほか、 家族の写真などが飾られていて、 充実した日々の一端を垣間見ることができました。

普段暮らしを豊かにするフリースペースのかたち

「 今度オーストラリアから友人が来るので、 日本滞在中に我が家の1 階を使ってもらうことになっています。 まさにフリースペースとし てさまざまな使い方ができるので、 家族だけの、 あるいは一人だけの家というより人との交流の場になっているかな。 今は仕事が忙しいですが先々は本当に信頼できる地域の方々と子供の居場所づくりのようなこともできるかもとか、 思いつくままに いろいろ考え て います。 そうし た、 私に合った 人暮らし のイメージ や、 やってみたいことを、 何でも許容し てくれる家になっているんだなと 改めて感じています 」

Sさんの毎日が、これからどんな可能性を広げ ていくのか 家づくりに携わった私たちもとてもたのしみなのです。

KAKI NO TANE vol.34 「暮らしのスタイル」よりバックナンバー