今年はカビを寄せ付けない!

季刊誌『かきのたね』のバックナンバー(vol.39、2020年夏号)から。高温多湿のこれからの季節に備える住まいのお手入れを紹介します。

人と家の健康のために、カビの発生しにくい環境づくりを

室内を浮遊するカビの胞子や菌糸の断片を吸い込むと、体質によってはぜん息などを引き起こすことがあります。また、カビが好む環境はダニの好む温・湿度とほぼ一致しています。ぜん息の主要なアレルゲンとなるヒョウダニなどは、カビを好んで食べますので、普段からカビの発生しにくい環境づくりを心掛けましょう。

カビを知る

カビはキノコや酵母と同じ仲間の「真菌」に分類される微生物です。細菌やウイルスの一種と思われがちですが、全く異なる分類になります。

カビは本来、土壌中に存在し、植物などに寄生しています。成長すると胞子を空気中に飛ばし、建材や食品などあらゆるものに付着します。

胞子が着床した後の成長に必要なのは、適度な栄養、酸素、温度、水分です。これらが整ってはじめて、カビは成長します。加えて、空気があまり動かないことと、これらの環境が一定時間続くことが胞子の着床や菌糸の成長に必要な条件になります。

簡単にできる7つのカビ対策

1)窓を開けて換気

夏場のエアコンなどで冷やされた室内の場合は、外が高温多湿のとき換気のために無理に窓を開ける必要はありませんが、天気の良い日は、窓を2か所開けて風の通り道を作りましょう。室内の湿気を外に出し、空気を動かすことができます。

2)扉を開ける

1と同様、閉め切った部屋は空気が動かず湿度が上がりやすいため開放しましょう。

3)換気扇をつける

24時間換気設備は常時稼働させ、室内の空気を動かしましょう。フィルターと吸気口の掃除も必須です。

4)サーキュレーターで空気を動かす

窓や換気扇だけでは空気が動かないと感じているからこそ、皆さん悩まれているのでしょう。サーキュレーター使って澱んだ空気を動かしましょう。

5)タオルで拭く

お風呂場や窓にできた結露をこまめにふき取ることは強力なカビ対策です。

6)隙間を作る

家具を置くときは、空気の流れを良くするために壁との間に5cm以上の隙間を作っておきましょう。また、押入れ床には簀子を敷き空気が流れるようにしましょう。

7)除湿器を置く

部屋干しはカビ対策的には厳禁ですが、梅雨時などどうしても部屋干しの必要が出てきますよね。その場合は除湿器、サーキュレーターを使って湿度を下げましょう。

こまめな掃除と空気の循環がポイント

一番のカビ予防法は、空気中を飛んでいるカビの胞子がほこりなどの栄養に付着しないよう、小まめに掃除を行うとともに、つねに清浄な空気を循環させることです。OMソーラーの家であれば、「室内排気」や「室内循環」、「外気取入れ」といった機能で家中の空気を動かすのが有効です。

参考:日経ホームビルダー2018.10号/東京都福祉保健局