雨が上がったら窓を開けましょう。窓を湿気から守る簡単な2アクション

窓から熱が逃げていく

窓の性能は家の温熱環境を左右します。日頃の使い方やちょっとした心がけでできる窓のケアを紹介します。

戸建住宅において熱の流出入が最も大きいのが〝窓〞。外壁や屋根、窓などから熱は出入りしますが、アルミサッシ(複層ガラス)の場合、夏に家へ流入する熱の74%、冬に家から流出する熱の50%がそれぞれ窓からといわれています。

2010年代以降は日本でもフレームが樹脂製の窓(樹脂窓)が普及し、同時に家の断熱・遮熱・気密性が向上してきました。木製サッシもまた近年は技術の向上により断熱・気密・水密性が高まっています。

住宅性能に大きく影響する窓やサッシを長く健全な状態に保つために、日頃の使い方やお手入れを見直してみましょう。

YKKapより

アクション1「開ける」
梅雨時のじめじめは窓のサッシにも大敵です。

お子さんが独立後の子供室の窓。縦すべり出しの木製窓の下枠が湿気た状態で腐食が進んでしまった。

雨が降ったあとは必ず窓を開けましょう。下枠部分も含めたサッシを乾燥させることが肝心です。とくに、木製サッシの場合は、下枠にたまったほこりが湿気を吸うとカビ床となり、閉めっ放しにしておくと枠を腐らせます。

また、納戸や使わなくなった子ども部屋、大きくて重たい窓など、家の中でつい閉めっぱなしになっている窓はありませんか。 普段開けていない窓も含めいま一度家中の窓を点検も兼ねて開けてみましょう。

下枠やレールはホコリやゴミ、水分が溜まりやすい場所。日頃から全ての窓を開けて換気できればベストですが、少なくとも雨が降ったあとは必ず窓を開けて下枠部分も乾燥させるようにしましょう。

アクション2「取る」
たまったホコリは濡らさない

横すべり出しの木製窓。2階洗面室で開閉頻度が高く乾燥した状態。枠左右のライナーの誇りをはらって定期的にシリコンスプレーを吹くとよい。

日頃からお手入れしたいのは窓の下枠とレールです。部屋に掃除機をかけるついでの感覚だと億劫にならないかも。樹脂も木製も濡らさずにブラッシングや乾拭きが基本です。

❶吸い取る

下枠やレールの溝内部に溜まった砂やホコリを掃除機で吸い取ります。または柔らかいブラシで落とします。ホコリを濡らすとこびりつきが強くなり取り除きにくくなるので要注意。

❷拭き取る

割り箸の先に布を巻きつけ、さらに汚れを拭き取ります。 ※下枠に水がたまった時は乾いた布で水分を拭き取ります。

木製窓の動きが悪いと感じたら、フレームの側面にあるライナーを綺麗に保ち、市販のシリコンスプレーを薄く塗り潤滑させてください。また、年に1度はサッシ室外側のコーキングをチェックしてみましょう。コーキングにひび割れや欠け等があると、サッシ本体だけでなく建物本体への欠損を早める原因にもなります。被害を未然に防ぐためにもなるべく早く補修しましょう。

家族の集うLDKの質感を高める木製窓枠。