OMソーラー入門セミナー③

『足りていればいい』と『じゃましない』

今回のOMセミナーで心に残った言葉です。

今日はその『足りていればいい』ということについて、考えたいと思います。

 

『パッシブ的に考えると、非常におもしろいことが起こってくる。例えば効率とは何だろう。みんな効率と言うけれども、効率とはパッシブの世界では何だかよくわからなくなる。例えば太陽熱利用で家が調子よくいっている場合に、太陽熱集熱効率が高いことがよいわけではない。足りていればそれでいいのであって、もっと集熱効率の高い集熱板を作る必要性はない。必要なのはそれに投資したお金をより少なくすること。経済の理屈に支配され過ぎてはいけない。すべて経済の理屈で価値観を持つ世界に立つと、効率は高ければ高いほどいいとか、ロスはできるだけ減らしたほうがいいとか、一放的な答えしか出ないけれども、パッシブ的な考え方に立つと、一方的な捉え方はできなくなる。すごく考え方や価値観が変わってくるのが面白いところ。』

 

少し難しくなるので、そのままテキストにあった言葉を引用して紹介させて頂きました。

というのも過日、ブログで書いた、物の多さに対する暮らし方と同様、

何か、今までの価値観とは違ってきている違和感を感じる昨今です。

 

それが子育てを終了した私の年齢のせいなのか、日本社会が成熟した?ということなのか、

混沌としてうまく表現出来ず、もどかしいので、もう一つ引用させてください。

『足りていればいい』という視点から考えると、同じような印象を受けた次第です。

 

チェコの経済学者トーマス・セドラチェクさんの言葉です。(朝日新聞 しじみ汁の経済学 5月19日掲載)

 

『世界の経済や経済学は今、二日酔いに苦しんでいて』『成長へのこだわりが病的だと』『この病気は人間や社会の生体そのものを破壊するかもしれません。豊かな国の問題は借金を作りすぎて崩壊するということです。成長しないからではないのです。』『問題は、成長がないことや成長が遅いことではない。より速い成長への欲望。これがさらに借金を増やし、全体的な崩壊を招く』『今の経済は躁鬱病的でもあります。気分がいいときにマニアックになりがち、落ち込んでいる時も落ち込み過ぎる。裕福な社会にとって、より恐ろしいのは躁の方でしょう。成長して成長して、猛スピードで壁にぶつかる』

 

このOMセミナーで、『パッシブとは考え方である』

『パッシブという概念は建築的な部分だけでない、

人間の思想の構成の仕方や考え方など、非常に広い概念―。』とありましたが、

ほんと奥が深くて、この問いかけに暫く悩みそうです。(西野博子)

 

 

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