緑のシェア 隣地境界を彩る

都市近郊の住宅密集地では、植栽を植える十分な庭は確保しにくいもの。でも、敷地も建物もミニマムなところ隣地境界にブロック塀やアルミ柵を設けている住宅をよく見かけます。

自宅=陣地という感覚が無意識に働いているのかもしてません。自宅は安心してくつろぐ場所です。たしかに自分の城という感覚はありますが、要塞のように防御やエリアの確保に重きを置きすぎては快適な環境は望めないですよね。とくに、外構において心地よい環境をどうつくるかは、親しみをもてる街並みにとっても大事なテーマです。

竣工から3年経ったM邸。アプローチの植栽は道行く人の目も楽しませています

ブロック塀、アルミフェンスの代わりに植栽を施すだけで、豊かな外構がつくれます。敷地の土留め部分のみに低くコンクリートブロックを積んで、目線の高さは生垣や木塀にしたり、土木の現場で土留めなどに使われるじゃかご・ふとんかご(金網製のかご型構造物)と石、土、植栽を組み合わせたり。道路境界だけでなく、隣地境界の柵も植栽など彩りあるものにできたらベストですね。

竣工時のI邸。北側敷地境界に柵や塀を立てず。植栽の成長を待ちます

現在、仕上げにかかっている「敷地をシェアする いえ と いえ」では、2軒の住宅が交差点に面した敷地に建っています。それぞれに固有の土地を所有しているのですが、敷地境界線上や境界をまたぐように植栽を計画することで、デザインされた外構と、2軒の間に余白のように生まれた外部空間を共有でき、豊かな環境を手に入れています。

仕上げにかかっている「敷地をシェアするいえといえ」の現場から。2軒のうち敷地奥の建物からの見下ろし

「敷地をシェアする いえ と いえ」の建物完成見学会もいよいよ今週末4/27(土)28(日)に近づいてまいりました。ご興味のある方はぜひお越しください。お問合せはこちらまで。 (畑野)