照明の高さと安らぎ感

二世帯住宅「心和む」より

仕事上、高所に上ることがありますが、上がるにつれて緊張感が増してきます。人は、床や地面から離れるほど緊張します。立っている時は座っている時より緊張しますし、椅子に座っているより床に座っている方が、さらには床に寝転がっている方がリラックスできます。

照明器具の高さも緊張感と関わりがあり、下がるにつれて人はリラックスしていきます。緊張感を伴う仕事をしている時などは、光の位置や明るさは高い方が適し、ゆったりしたい時は低い方が適しています。ダイニングルームなどで天井近くに吊り上げられたペンダントライトをよく見かけますが、やはり食卓上60~70cmまで下げた方が落ち着いて食事が楽しめます。雑然とした周りの風景が視界から消え、同席する人の表情やおいしそうな料理に目が行き、会話も弾みます。

「こと こと こっとん」より

食後はソファーに腰かけ、視線がさらに床に近づきます。そこでの光は、背の高いフロアースタンドから低いテーブルスタンドのような器具が好ましいでしょう。

ルイス・ポールセンPH 2/1 table https://www.louispoulsen.com/ja-jp/


また、人の体内時計(サーカデイアンリズム)は、朝の太陽光を浴びるとリセットされ、活動状態に導かれます。太陽の高度が最も高い南中時は人が最も活動感に溢れ、太陽の高度が下がるにつれてリラックス状態へと入っていきます。一日の自然光の動きと自分の活動を関連付け、部屋の照明を考えるのも良いと思います。(MY TOWN 掲載コラムより)

モデルハウス「家の展示館」の夕景