建物完成見学会の見どころとは

先週末の土日に建物完成見学会を開催しました。外出自粛明けの初めての見学会となり、リアルな体験の場でお客様と接することができる喜びを改めて感じました。

ところで、建物完成見学会の見どころって考えたことはありますか?
設計・施工の立場からではありますが、下記にまとめてみましたのでご参考に。

【住まいの第一印象を大切に】

見学会場へ近づくと見えてくる建物の外観。開けた土地で街のランドマークになっている場合もあれば、街路を曲がって目の前に建物が現れる場合もあるでしょう。その時に、「あ、素敵だな」「好きだな」と思えるかどうか。

会場へ車で向かう場合でも、助手席でスマホを見ていたらもったいないですよ。近づいてきたら初めの印象を心に刻みましょう。

建物に入ってからも同じです。扉を開けて、木の香りのする空間に包まれた瞬間の感覚を忘れずに。率直に言って、好きか嫌いか、が大事なのです。

【温度、湿度、空気質など--見えないものにも感度を向けて】

また、「夏涼しく、冬暖かい家」は実際に体感してみなければわかりません。エアコンの存在と気流を感じさせない全館冷暖房システムや、断熱気密性能とその副産物(?)でもある防音効果もリアルな見学会だからこそ体験できること。

よく、複数の工務店やハウスメーカーの家を見て回っている人から、「何がいいのかわからなくなった」という話を聞きますが、見た目のデザインだけではなく、体感による違いに感度を向けてみてください。おのずと、「好き嫌い」「有りか無しか」が肌感覚でわかってきますよ。

【暮らしをイメージしながら歩いてみよう】

注文住宅は、当然のことながらその家の主人のライフスタイルに合わせて作られています。動線計画もしかり。でも、完成見学会では自分の暮らし方に合っているところや便利だなと思える工夫、逆に自分ならこうしたいと思うところを意識しながら見学することはできます。

完成見学会は1軒見れば十分というわけではないんですね。意識しながら見学を重ねれば、自分なりの暮らしのくせ、好みを発見する機会になるので、できるだけ積極的に参加しましょう。

【居場所ごとに空間の高さを感じよう】

見学会ではずっと歩いていたり、立ちっぱなしの人も多いのですが、ぜひ、空間に設えてある椅子に腰かけてみてください。天井の高さや窓から見える景色は、その場所でどう過ごすかを想定して設計されています。

また、鈴木工務店では、寝室の天井を2,1m程度と低めに抑えることも多いのですが、数字だけ聞いてもピンとこないですよね。実際に体感してみると、籠り感があって心地よかったり、他の空間とのメリハリが感じられたりします。

【照明計画や空気の流れは提案されているか】

せっかくの空間も、照明がイマイチだと残念ですよね。昼間の見学会では盲点になりやすいので、しっかりチェックしましょう。鈴木工務店では、基本的に間接照明を提案しています。「光はもの(壁や天井)にあたってその存在を現す」という考え方です。なので、天井にべたっと取り付けるシーリングライトで部屋全体を均質に照らすことはしません。

ちょっとほの暗いかな、と感じる人もいるのは確かです。でも、少し長い時間滞在してみると、なんとも心地よく、くせになるのです、ほんと。ヨーロッパの住まいや暮らしでも、間接照明やスポットを多用した、雰囲気のいいインテリア照明が多いですよね。もちろん、作業をする場所では、スタンドやフロアライトなどをプラスします。

照明もインテリアとして楽しめる。そんな住まいの提案も大切にしたいですね。

それから、空気質も大事なポイントです。冷気は下に、暖気は上にたまりやすいので、できるだけ室温が均一になるように空調をダクティングで計画します。あ、居室からは設備的なものは見えないですけどね。それから、吹抜けのある家では、上下階の空気の循環も計画します。決してデザインだけではないのです。(もちろんデザインは大事にしてますよ)

【家のこと、気になることはどんどん質問しよう】

鈴木工務店の見学会会場では、設計や現場監理の担当者が建物を案内します(ハウスメーカーさんは営業マンだけなのかな?)。はじめに空間を存分に感じたら、あとは気になることをどんどん質問してください。

「床材はどう選んでいるの?特徴は?」「木の造作キッチンはお手入れ大変じゃない?」「エアコン1台で本当に大丈夫?」「家が建つまでにどれくらいかかるの?」などなど。

鈴木工務店の家づくりや進め方についてもお話しできますが、詳しくはモデルハウス「家の展示館」で開催するツアー&セミナーともにつくるいえ「SUZUKIの家づくり~設計編」で解説しいています。今月は7月18日(土)開催予定です。ご興味のある方はこちらのイベントページをご覧ください。 (畑野)