まちあるき 明治神宮内苑

7月4日に明治神宮の第一鳥居(南参道鳥居)が、創建以来の建て替えを終えてお披露目されましたね。都会の真ん中で100年の杜を体感できる希少な環境はいかにして育まれたのか。新しく生まれ変わった鳥居とを眺めながら、その歴史に思いを馳せる森林浴もよさそうです。季刊誌『かきのたね』で連載している「徒然とおる」2021年春号で、約1年前の明治神宮を紹介しています。徒然とおるのまちあるき、おたのしみください。

左右に楠の大木、正面奥に明治神宮御社。この場所が初詣のお賽銭箱の位置でしょうか。

明治神宮への3つのルート

小田急線・新宿駅のひとつ手前、南新宿駅を過ぎると、電車の車輪をイメージしたかのような連続アーチ型窓が特徴的な建物が見えます。これは小田急の旧本社屋が最近リニューアルされたもので、表現主義的デザイン、ライト風装飾は今でも残っています。

小田急旧本社屋。アーチ型の窓が特徴的です。

そこから東南方向へ歩くとJR代々木駅に着きます。切り通しによる高架線路の脇を通ると、レンガ造の堤と芸術的なリベットで施工された鉄橋の上を山手線が走っていきます。さらに線路脇を南へ進むと、明治神宮内苑の北参道に出ます。初詣は原宿駅から南参道を通るルートがおなじみですが、参宮橋駅からの西参道とあわせて3つのルートがあることを知りました。

JR代々木駅付近。山手線を支えるリベット打ちの鉄橋と御影石の築堤。

外苑とは「内外苑連絡通路」でおなじみのスポーツのメッカ、神宮外苑と結ばれていました。ここには聖徳記念絵画館、国立競技場、神宮球場、秩父宮ラグビー場などの競技施設があります。今回は、密を避けて人もまばらな平日に明治神宮を参拝して、内苑で森林浴を楽しみました。

北参道一の鳥居。

100年の杜ができるまで

鬱蒼とした自然林に見える約22万坪の広大な内苑は、肥後藩主・加藤家から彦根藩主・井伊家と拝領が変わり、明治になって御料地に。そして、大正9年(1920)から造営が始まり、青年団による勤労奉仕により植林が行われました。東京の気候に合う樹木が全国から集められ、林相が自然に推移するよう計画されたそうです。

造営当初は松、杉、檜の針葉樹に樫、椎、楠の広葉樹を下木に、在来樹木を含め365種・約12万本だった樹木が、最新の調査では、234種約36千本に減っています。これは自然淘汰されて木々が大きく成長したことを意味します。

御年100歳の杜です。

「はじめの百年、これからの千年」

令和2年に100年目を迎えた神宮は、当初の計画通り広葉樹の杜に覆われていました。風に身を任せて揺れながら天に向かって大きく伸びる木々を見ていると、過ぎ去った時代の生き証人と相対しているように思えてきました。

「はじめの百年、これからの千年」。まずは、次の100年はどんな時代で、どのような杜になっているのか。想像がつきませんが、平和な時代が続くよう神宮の杜に祈願してきました。 (鈴木)