「ゴールド、シルバー、レアメタルはどうやって作られたのか?」
言葉の定義ですが、広辞苑では「天体」とは宇宙空間に存在する物体の総称だそうです。最も身近な「太陽」、「地球」、「月」、「人工衛星」も「天体」の一つと言う事になります。

太陽。特殊なフィルターを使い、高温の水素が出すHα線(656.3nm)だけを写し出したものをカラー化した。核融合で膨大なエネルギーと鉄までの原子を作り出している。2026年5月に撮影。
さて、我々の体を含め、地球上に存在する物質は何から出来ているでしょうか? 人体や植物などを作っている有機物は主に水素(H)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)と微量な金属などから出来ていて、岩石は主としてケイ素(Si)と酸素(O)を主成分とし、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)などが含まれるケイ酸塩鉱物です。
ところが、これらの原子は宇宙創成期のさらに初期段階にはまだ存在していませんでした。ビックバンから約10分後(諸説あります)にクォークから陽子、中性子、電子などが作られ、やっと水素(H)、ヘリウム(He)が生成されたと言うことです。

アンドロメダ銀河(M31)我々の天の川銀河の隣に位置し、2倍の大きさを持ち、約40億年後には天の川銀河と衝突すると考えられている。2025年9月撮影。
では、もっと重い原子(炭素、窒素、酸素、鉄、金、銀、レアメタルなど)はどうやって作られたのでしょうか?最初に出来た巨大な恒星(初代星)が鉄までの原子を核融合で作りました。さらにその星の最後に起こった超新星爆発によって鉄より重い原子(金やレアメタルを含む)が生成され、宇宙空間に放出されたことが分かっています。それらの放出された原子が再び集まって、第二世代恒星ができ、核融合し、超新星爆発などの工程を繰り返し、金やレアメタルなどが宇宙空間に蓄積されていったのです。
つまり、我々の体を作っている物質も、我々が現在、生活している空間や環境を形成している物質は、全て、太陽の様な恒星の活動(数百万年から数十億年)と、その終焉(数百万年から数十億年に一度起こる)によってもたらされた事になります。何とまあ、時間がかかる事でしょう。
我々はもうちょっと全ての物を大切に扱っても良いかも知れません。

カニ星雲。1054年に出現した超新星爆発痕。日本でも観察されて、藤原定家の「明月記」に記録されている。
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【プロフィール】
村山哲也/山形大学名誉教授(ご自宅 設計施工:鈴木工務店)






